板橋シティマラソンを振り返って
年度内にもう一回フルを走りたいということで、初めて3月19日の板橋シティマラソンにエントリーした。
これまで郊外のマラソン大会に参加してきたので都内でのフルマラソンはどんな感じなのか興味はあった。
コースは荒川の河川敷のハーフを往復するという大変わかりやすいものだ。
レースは、9:00スタートなので1時間半前に現地に到着すればよいかと思っていたが、それが大間違いだった。
参加人数が約15000人と多く、駅から会場まで人があふれていた。
会場に着くなり着替えをし、荷物を預けるのに時間がかかってしまった。
たくさん設置されているのにトイレには長蛇の列だ。
これでは絶対スタート時間には間に合わない状況なので、そのままスタートをした。
直前にトイレを済まさずに走ったのは初めてである。
前半のハーフは大渋滞の中をすり抜けながらキロ5分30秒前後のペースで走って行く。
これはなかなか良いペースなので、このまま後半まで行くことができればサブ4も可能かと思ったが、考えが甘かった。
24キロを過ぎたあたりから次第に遅れはじめ、キロ6分台になってしまった。
6分から7分台を行ったり来たりでペースが一向に上がらない。
前半の貯金は完全に使い果たしてしまった。
34~35キロ当たりで右脚の膝上あたりの筋肉が攣り始めた。
「まずい、せっかくここまで来てリタイアはしたくない。4時間切れないことはこの時点ではっきりしたが、せめて富士山マラソンでの過去の記録の更新だけでもしたい」という思いから、途中で立ち止まりストレッチをすることに。
最後の力をふり絞り、39キロからゴールまでの約3キロは、必死で6分から5分台にペースを上げた。
ゴールが見えた。
最後のダッシュ、いや最後の悪あがきの走りでゴールをした。
何とも苦しく、やり遂げた感のないレースであった。
長距離走30キロ以上のトレーニング不足でスタミナがないことを露呈した走りであった。
いかに普段からの走り込みが大切であるか。
また、まとまった距離のトレーニングが後半のペースの落ち込みを防ぐことになるのかを思い知らされた。
走り終えたランナーにシャーベットを配布していた。
芝生の上にへたり込んで口に入れる。
今日のレースは気温も高く、発汗も多かったのでこの冷たいサービスはうれしかった。
それにしても後半の河原を吹き抜ける風は強烈だった。
時折、ランナー達のゼッケンが風によって大きな音を立てていた。
話には聞いていたが、疲労した体にこの向かい風は、あまりにも辛い。
この板橋シティマラソンは、人気のある大会でエントリーする人も多いのだが、1キロごとに給水・給食を用意している大会も珍しく、しかも暑さ対策で大量のスポンジのサービスは初めてである。
給食もパン、バナナ、チョコをはじめ豊富でこれもランナーにとってはうれしかっただろう。
しかし、今回のレースでは自分は水とスポーツドリンクだけで給食は口にしなかった。
これが後になって影響が出るとは思っていなかった。
最寄りの浮間舟戸駅から新宿駅に向かう途中で気分が悪くなり、意識がもうろうとして床に座り込んでしまったようだ。
周りの乗客が声をかけてくれ、新宿駅に着くなり駅員さんに車いすに乗せられた。
駅の事務所にある休憩室のベッドで30分程横になり休ませてもらうことになってしまった。
レース中は1キロごとに水分は十分にとっていたので熱中症というよりも、レース後2時を過ぎても何も食べていなかったのが原因でおそらく低血糖状態になっていたのだろうと思う。
フルマラソンを走ると約2800キロカロリーを消費することになる。
水分だけでは完全にガス欠状態で体が悲鳴を上げていたのかもしれない。
レース中の給食は、エネルギー不足にならないためには必要であるということ思い知った。
これも今回のレースの反省の一つである。
これから気候もよくなり、走りやすいシーズンとなる。
秋の大会に向けて今回の反省を十分に生かせるように十分な走り込みをしていきたいと思う。